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誰の所有でもない「青地」に接する近年の取引について~横須賀市芦名編~
2021-01-26
注目重要
長年お世話になっているオーナーN様からのご依頼。
横須賀市芦名の一戸建ての販売!
立地ですが、相模湾に面する海岸沿い。
海沿いですが、数年前に山を切通しをして造られた新しい幹線道のおかげで、JR衣笠駅や横浜横須賀道路横須賀インターにも車で15分程度でいけます。
今回の物件は、アットホーム社と弊社のネット広告に掲載しています。
今の時代でしょうね、東京、川崎から内見にお越しになる方が多くございます。
今回の芦名の一戸建が建つ敷地は48坪。
脇の道路が狭いため、セットバックなどがあり、建築対象敷地面積は41坪となります。
某大手メーカーによって平成6年に新築されて今に至っています。
安心と言えば安心です。
それ以外に広い道路にも面しています。
その道路は海岸に面しているのですが、所有者は農林水産省と横須賀市です。
幅員は6m。車も楽々!
この物件の敷地は、個人の所有地一か所と横須賀市と国の計3点に隣接しています。
個人との敷地はすでに境界立ち合い証明書があり確定済みで安心。
今の時代ですかね・・・・、いろいろと質問が出ています。
その一つが、建築基準法と品確法にもとづき、新築の場合は、完了検査の義務化!
完了検査を受ける場合の境界線と建物の配置の距離の関係もあり、工務店さん側としては敷地の公的な確定がないと不安・・・。
今回の敷地は海側の国有地(青地)と接しています。
青地は、誰の所有でもありません。
国の所有です。
その窓口と管理は、財務省関東財務局です。
土地は、青地に接しているますが、N様の敷地のみが接していますので、N様の立ち合いのみで確定します。
反対にいえば、青地の境界確定の際、境界線の立ち合い証明の印鑑を押す人もN様のみ。
N様が印鑑を押さない限り青地は確定しない・・・、ということになります。
某大手ハウスメーカーが建てた時にも青地の確定はしていないのですが・・・。
ちなみに、青地の確定は、国が率先して行ってくれません。
青地に接している人が、自己所有地を測量をするときに、土地家屋調査士を経由して関東財務局に協議をもとめる作業となります。
場所によっては、測量と協議の結果、青地の上に大昔から家があったり、車庫があったりとか・・・。
先祖代々から生まれてきて初めて聞いた!「知らなかった~、住んでいる家の真下に青地があるなんて・・・。!」とうこともあります。
しかし、驚かなくても良いのです。
それが嫌な人では、確定を拒否する人もいます。
併せて、家の下に青地があることが判明しても、立ち退きはありません。
青地を確定して、その確定した測量図に押印した場合は、国に地代を支払うようになるでしょう。
今回、青地の確定を望む内見者がいることから、長年信頼している土地家屋調査士のI先生に調査を依頼しました。
すでに関東財務局と協議を始めてくれています。
本当に動きがはやくて、感謝のひとことです。
脇の狭い道は横須賀市と隣接し、平行に協議を行っていただいてます。
さすがプロ!
I先生に任せておけば安心!
これで、青地の場所も概ね確定できると思います。
平成23年の東日本大震災のときにN様が購入して下さったこの物件。
その前の所有者から引き継いだ測量図や建築確認書もありますが、今の時代の要望にも応えることが仲介の仕事。
青地の確定はなされていないという内見者の意見をもとに、まとまるのであれば・・・と動いている次第です。
関東財務局の見解をきくことで、「さらなる安心」を手に入れることになりますね。
お世話になってるN様が、ここまで大切にしてきた今回の物件。
その価値をしっかりと守るためにも、そして、ご縁のある購入者の納得のためにも。
安心して承継できるようにすることは、購入者の利益となる・・・同時に、所有者の資産価値の確保でその利益にもなる。
それが、仲介と思います。
仲介に専念してよかった・・・、と思う気持ちは、依頼者の笑顔にもつながる・・・とおもって33年。
これからも頑張ります。
最後に、海が目の前のこの不動産、なかなか出てこない立地。
良きご縁をいただけますように、日々活動してまいります。
N様ご夫妻、これからもどうぞ、宜しくお願い申し上げます。