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時代の変化と法改正で不動産の価値が変ってくるお話~横須賀市追浜東町和風戸建編~
2022-08-27
チェック重要
再建築不可、土砂災害特別警戒区域内・・残念でなりません。
残念でならない物件のお話。
横須賀市追浜東町一戸建て。
和風建築で、しかも地元の老舗工務店で大切に建てられました。
素晴らしい瓦が乗っています。
銅板の下屋、真壁のおしゃれな和室、明るい広縁からの庭・・・。
そして井戸!(追浜地区には多いのです)
数えればきりがないくらいに素晴らしかった・・・。
毎週のように案内予約が入ります。
しかし決定打まではいっていませんので現在も募集中です。(明日も案内予定)
いまから36年前の昭和61年に地元工務店で丹精込めてつくられたであろうこの建物。
世の中はバブル絶頂期!
当時はいまの法律とはわけが違います。
新築時には、しっかりと建築基準法の道路に接道している、そして裏山も安全であろうと・・・。
それは建築計画概要書がその証明。
横須賀市建築指導課のデータでも、当時は建築許可がおりて、そのとおりに建築着工し、竣工後にお役所による完了検査を合格。
令和4年のいま、36年の月日がながれました。
いろいろな法律が付加されました。残念ながら緩和はなかったようです。
地震、災害、土砂崩れ、集中豪雨・・・このような自然災害毎に法律が厳しくなってきています。
売却するときは、測量図がない場合は有資格者に測量を依頼するこの時代です。
いままで自己所有地と35年間思っていたのに、令和で測量をしたばかりに、自己所有地をおもっていた土地の一部が国有地(所謂、青地)となっていた。
数名が利用しているので、国の土地なので時効取得もできません。
一番肝心なこと・・・、その国有地の位置は、建築基準法の道路と自己所有地の間にあり、このことで敷地は接道義務を果たせなくなりました。
当初、地肌むき出しの裏山の崖には、隣地にマンションが建ってすごい擁壁が造られているので安全と思いきや・・・。
近年の基礎調査が終わった土砂災害警戒区域の調査。
神奈川県において、今回の土地の大半が、土砂災害「特別」警戒区域(所謂、レッドゾーン」に指定されました。
木造建築が建ったのに、指定がなされれば、擁壁等をつくって命の安全を守れる工作物をこしらえない限り木造は建築できません。
※そもそも接道義務が満たされていないので建築はできないのですが・・・。
さらに、他方の位置には、この物件の脇に車が入る横須賀市公道があるのですが、その間にある国有地と自己所有地の法地(傾斜地)が「埋蔵文化材包蔵地」に指定されています。
鎌倉時代の清水やぐら群です。(所謂、武士のお墓)
そのため公道から敷地に至るまでの土地は文化庁長官や行政の許可がない限り削ることもできません。
話は長くなりましが、時代の流れでここまで不動産の制限が付加されるとは・・・。
オーナーI様も存じ上げなかったようです。
売却の際、媒介契約締結にもとづき、不動産の査定や制限を説明することになっています。
その時、オーナーI様の子供様夫妻は、その説明に驚きを隠せませんでした。
そして、今後の対策として・・・。
再建築をする場合は、国有地に隣接する皆さまの同意があれば、国有地の買取申請が可能。接道義務はクリアー。
裏山の堅固な擁壁はマンションの所有ですが、レッドゾーンの区域のため、コンクリート住宅たてるか、木造建築の裏に擁壁を設置する。これでクリアー。
コストはかかります・・・。
コストをかけない方法とすれば・・・。
融資利用ができないので、キャッシュで土地建物を購入します。
今の法令では既存建物に対する増築・改築の行政の許可はおりません。
なので、行政ぬきに、支障のない範囲でDIYの方法で内装や水回りのリフォーム。
じっくりと時間をかけて今の和風建築を蘇らせる方法です。
このように、親子代々長年愛されてきたこの土地と建物。
いろいろな法規制で残念なことになっているのが現状なのです。
あきらめるのはまだ早いのです。
わたくしは、この物件の媒介契約にもとづき、I様の思いを抱き、何回もこの現場に足を運んでます。
内見する方からのNGの回答は多いのですが・・・I様とのご縁がある方が必ず見つかると信じてます。
本日も横浜からご家族がお見えになりました。
熱中症警戒アラートが出ている中でも…感謝です。
不動産を所有しているみなさまへ~
今の時代、今の法令で、現在所有なさっている不動産が、どのような法令制限や土地の権利状態なのかをしることが大切です。
事前に測量をしておくとか、行政と相談して再建築の説明を聞いてみるなど・・・。
今後の資産継承に必ず役立ちます。
コンサルティングマスター歴22年の私にいつでもご相談ください。
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