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今月３日付でオーナーY様と締結した「専任媒介契約」・・。いったん白紙解約とさせていただきました。

専任媒介契約期間は、３か月以内、更新は合意できるのですが・・・。

今回、その期間内でご依頼の相続財産の販売活動ができないと明確になりました。

そのため、残念ながら、オーナー様にはその内容でご了解をいただきました。

その理由とは・・・。

昨日、土地家屋調査士の先生から・・「隣接地に登記名義人が法人の土地があり、その登記名義人の法人はすでに昭和６０年に清算、閉鎖されている・・ということでした。

登記記録だけまだ残っている状態なのです。

そのため、土地家屋調査士からは、オーナーさんで法人の利害関係者を捜すことから初めてください、という内容のものでした。

確定測量とは、隣接地の所有者、公道の境界確定等すべての隣接地の所有者が立ち合いをしていくもの。

そして、その境界標、境界線を承諾していただくことで販売する土地の面積の確定が確実になる作業です。

そうすることにより、もともとの登記面積（固定資産税課税面積）を実際に測った現実的な面積に修正（錯誤：所謂、地積更正登記）できます。

よって、今回、隣接所有者が立ち会わないことにはまったく話が進みません。

２００坪以上ある今回の土地、いろいろな造成がかかります、また、一般消費者にとってはコストや造成、設計手続きが必要で、かなりハードルが高いのです。

専任媒介契約締結時には、そのこともあり、オーナー様との合意をもって、販売先は、「事業者、開発会社」への販売活動としましょう・・ということになりましたが・・・。

残念ながら、確定測量ができない・・・ということは、２００坪を３分割等のような分譲地を造ることもできない、ということになります。

では、一括で一般の消費者での販売は・・・、境界線が定まらない状態、これでも販売自体は可能です。しかし、所有者がわからない部分が雑種地と木々、傾斜地になってます。

崖の所有者がわからないことは、万一の崖崩れ災害の時にどちらの責任になるのか・・・、からの協議になります。

このように、境界が非明示でも販売は可能ではありますが、仲介会社としては、現地のご案内をするときにはかならず、そのことも説明します。当然に、消費者の方は不安になります。

結果的に、消費者様に販売活動をしても、リスク、コスト、時間などを鑑みれば、業者さんが現在買い入れしている金額よりも安くなることもあります。

このように、よくよく考えて、最終的に、オーナーと本日相談しました。

現実的なことで、かつ、オーナー様の大切な相続財産価値を守る・・・、このことが一番の基軸です。

不明法人の利害関係者を見つけて、そのうえで境界線、境界標を一緒に立会していただき、法務局に認めてもらうことが一番の得策であるという結果でまとまりました。

なお、「筆界特定制度」という制度もありますが、今回、周辺の地積測量図（法務局に保存されているもの）はあまり完備されておらず、筆界特定制度の利用をしても、はたして特定できるかどうか・・・という懸念が残る事案とのことです。

今後、オーナー様は直接に、別事件で弁護士会に連絡し、境界に詳しい弁護士さんを探すということになりました。そして解決したら、あらためて弊社に依頼をされていとの話となりました。

この事案はもしかすると数年かかる可能性もありますが、静観してまいりたいと思います。

紹介してくれた造園屋さんSさんのおかげでもあり、オーナーさんの幸運を祈りたいと思います。